小説
神君幻法帖
日経新聞夕刊の書評欄に出ていた本です。
完全に山田風太郎の「甲賀忍法帖」へのオマージュです。
作者の名前も「山田」です。
実は、まだ山田風太郎の「甲賀忍法帖」は活字では読んでいません。
一昨年、アニメで見ただけです。
バジリスク甲賀忍法帖=忍者版「ロミオとジュリエット」
この本ですが、原本と同様に様々な術を使う「幻法者」が戦います。
原本では10人ずつの戦い(甲賀卍谷十人衆 vs. 伊賀鍔隠れ十人衆)でしたが、この本では7人ずつです。
<山王一族>
山王主殿介(さんのう とものすけ): 棟梁
螺鈿兵助(らでん へいすけ)
籠女(こもめ)
首六衛(おびと ろくえ)
蜃気迫(みずち きはく)
九似鉄斉(きゅうじ てつさい)
虹梁(こうりょう)
<魔多羅一族>
魔多羅木通(またら あけび): 棟梁
膚主繕(はだえ しゅぜん): 副棟梁
守宮一角(やもり いっかく)
祈禱十兵衛(きとう じゅうべえ)
双伴内(ふたつ ばんない)
疾風隼人(はやて はやと)
飾毛(かざり)
また、舞台も原本では家康がまだ存命中の中部地方を中心とした話でしたが、この本では家康没後の日光を中心とした話です。
原本同様に幻法者は様々な術を使いますが、それに「ミラーニューロン」などの科学的解説がついています。
ただし、とてもこじつけ的でナンセンスなのですが。
全体を通して、やはり山田風太郎の話の展開や細かさの方が上かなと思います。
この本では、原本のような幻法者どうし命の限りを尽くした戦いは少ないです。
計14人中、8人はあっけなく死んでしまいます。
4人(祈禱十兵衛、蜃気迫、虹梁、籠女)は自殺ないしほぼ自殺、4人(疾風隼人、山王主殿介、魔多羅木通、飾毛)は天海とその一味に殺されてしまいます。
なので、物足りない感じが否めません。
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