2009年8月9日日曜日

再読「理系のための研究生活ガイド」(坪田一男)

理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで (ブルーバックス)
理系のための研究生活ガイド―テーマの選び方から留学の手続きまで (ブルーバックス)
講談社 1997-09
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久しぶりに坪田一男先生の本を再読しました。
理系のための研究生活ガイド(坪田一男)

12年前の1997年に出版された本なので、ちょっと古い部分もありますが、再読しても新鮮でした。

何はともあれ、価値観(Value)と使命(Mission)を掲げることが最重要。
でも、これが一番難しい。

● 研究者の条件:「数学者の言葉では」(藤原正彦)
①知的好奇心があること
②野心があること
③しつこく迫ること
④楽天的であること
+⑤コミュニケーション能力が高いこと

● ボスを選ぶ条件
同じ実力なら、よい師匠についている方が強い
→ 医学界は上からの”ひき”が大切
我以外みな師(吉川英治)
人生の師匠 iBD社 伊藤守 iBD=it’s a Beautiful Life

● 研究テーマ
早くトップになれるテーマを選ぶ
社会的に価値のあるテーマを選ぶ
発展性のあるテーマを選ぶ
流行(ファッション性)を取り入れる
受ける=皆が面白いと考える、皆が大事だと考える

● コミュニケーション
1対1では、声を掛け合うことが大事
「タクシーの会話」:コミュニケーションを行ったこと自体に価値がある
→コミュニケーションは内容でなく、キャッチボール自体に価値がある

● パソコン
シンプルに使う
①ワープロ
②データベース
③コミュニケーション・ツール
インターネット=コミュニケーション・コストが安い
バックアップをとる:家に2台、病院に2台、シンクロするためにプローバードライブ(光ディスク)

● 「超」読書術
本=メタ理論のパッケージ、しかも安価
メタ理論:ひとつひとつの情報を包括的に説明できる理論・情報
本を通して必要な情報を得る(インプット)→それを理解する(データプロセッシング)→使いこなす(アウトプット)
読書ファイル:EndoNote Plusで作る

論文の読み方は二通り
①研究テーマに関する論文を過去にさかのぼって検索し、読む
②ジャーナルの最新号を読む
読むジャーナルが知識体系のどの領域に属するか見定める(狭義の専門分野→広義の専門分野→医学→生物学→科学)
「読んだ文献ファイル」:EndoNote Plusで作る

● 知的時間管理法
二八の法則:2割の人が8割の売り上げをあげる、2割の決まった人が8割の事故を起こす
→16時間起きているとすると、3.2時間で1日の仕事の8割がこなされてしまう
この時間帯に仕事場にいれば邪魔されるのなら、場所を変える
この時間を失ったら自分のやりたいことはこの人生ではできないと思うぐらいの悲壮感が必要

● 体調維持術
定期的に運動をする
神様は運動をしないと幸せにならないようなシステムを体の中に組み込んだに違いない
機嫌がよくなる、脳内ホルモンが変化する

● 論文を書くコツ
いい情報を集める(インプット)作業とそれを論文にする(アウトプット)作業は、全く別の能力
・ インプット (テーマ選択、情報収集)
・ プロセッシング (実際の研究)
・ アウトプット (発表)
Authorの種類
①First author:論文を実際書く
②Second author:その論文の手伝いを最もした
③Co-author:限られた範囲で手伝った
④Last author:その論文の指導者
楽しく研究していくのは、お互いの論文に名前を入れ合うというのもひとつの方法

● 学会発表
◎スライド
①図と写真を多用
②1枚のスライドの説明文は5行以内
③結論は、わかりやすくまとめた図表に

◎内容
①焦点を絞る
②なぜこの研究をはじめたか説明する
③この結論から言えることは何なのかを明確にする

◎話し方
①大きな声でわかりやすく
②講演原稿は読まない
③聴衆の目を見て話す

「発表の技法」(諏訪邦夫、ブルーバックス) ベストセラー
発表できる内容は理解している十分の一→内容を掘り下げて理解する必要がある
発表内容を掘り下げるには、学会発表までに原著論文を書いてしまう
学会前に論文が仕上がらないのなら、演題を提出しない
①興味のピークにある
興味のピークを過ぎて論文を書くのは、去年の夏休みの宿題をするようなもの
②知識のピークにある
恥をかきたくないという大きなモチベーション
知識のピークを過ぎて論文を書くのは、変身後3分以上たってエネルギーレベルの下がったウルトラマンが戦うようなもの
③能率的
④パフォーマンスがよい
⑤研究発表の本質である
研究の本来の発表の場は、英文論文
研究の本質から見た場合、学会はおまけである
学会発表をしても、論文を書かなければ、本当に発表したことにならない

● 招待講演のポイント
①自分の仕事を話すこと
総説ではなく、自分の研究内容で勝負
②ジョークを1つか2つ入れること
日頃から意識しておく、ネタ帳
③おまけの仕事と割り切ってリラックスすること
自分の研究成果は論文で発表するのだから、招待講演はおまけ
④反省を次に生かすこと
時間をかけて磨きをかけてゆく

● 一般向けの本を書く
印税:低下の10%
名刺代わり:一般社会に向けて自分の考えを表明できなければ、名刺を持っていないのと同じ

● 絶対に留学するテクニック
「留学したい!」と大声を上げる

● 研究費集めのノウハウ
秘書を自腹で雇う
自分の業績に関心をもつ
英文論文(原著論文、総説)
業績目録を作る: 年に一度は業績目録を作成し直す
研究チームには共通メディアが必要(壁新聞のようなもの)
インパクトファクターが1の雑誌に載せるのに、研究費100万円かかる(科学的根拠はない)
→研究の効率を考える

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