| 国際誌にアクセプトされる医学論文―研究の質を高めるPOWERの原則 | |
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載っているインパクトファクターの表などは10年以上前のもので古いのです.
しかし,内容はいつの時代も通じるものです.
題名のPOWERというのは,Planning, Observing, Writing, Editing, Revisingの頭文字を取ったものです.
中身は,10大原則のあとにPOWERの順に235の法則(計245則)が順に並びます.
いくつか英文論文を書いたことがある人なら,大部分の法則には目新しいことはないかもしれません.
しかし,たまに「こういうことだったのか」と雲が晴れる部分があります.
統計解析の部分は,難しく読み飛ばしました.
ただ,116ページの統計解析方法に関する例文は,シンプルかるコンパクトで使えそうです.
この本のエッセンスは,推敲を重ね,短く簡潔な論文を書くこと
テクニックの伝授よりも,精神論的なことに重きを置いている印象です.
基本
投稿予定雑誌の論文の平均よりも10%短くする
1つの論文を多くの部分に切り分けないこと
優れた論文とは,「なぜ自分はこれを思いつかなかったのか」と唸らせる論文
共著者は,その研究に重要な知的貢献を行った人
Title
タイトルの語数は10~12まで
Abstract
Abstractも短くする
Introduction
Introductionは劇的に
意味がわかりにくいと思われる言葉は,すべて明確に定義する
Method
Methodは詳しく (結果の再現性が科学の核心)
コースコントロール研究は,アウトカム(結果事象)の有無が現在で確定され,過去に曝露があったかどうかが対象者に尋ねられる
前向きコホート研究は,曝露が現時点で測定され,その後の追跡調査で,結果事象の発生が記録される
RCTも前向きコホート研究の1つ
後ろ向きコホート研究は,過去の記録を調べて,それらの人々が以前にある要因に曝露されていたのか,特別な属性を有していたかを調べる
なるべく均一な患者グループを研究対象にする
前向きな研究デザインは,研究開始時点でアウトカムを発症していない人を対象者にし,リスクファクターを測定し,その後フォローアップして,その人にアウトカムが発生するかを観察する研究
Results
There was no documented history of X
中央値(median)を用いる
表の内容を文章で繰り返さない
P値は小数点3桁まで表示すれば十分
率(rate)を報告する場合は,フォローアップ期間が必須
因果関係の評価: 知見の一貫性(consistency)
Discussion
Discussionは,研究開始前に立てた差なし仮設を採用するかしないかから書き始める
Discussionは簡素に
自分のデータを批判的に検討(devil's advocate position)
Limitation of the studyというパラグラフ
我々の知る限りでは: known to us, We are aware of no published report that describe...
Conclusion
Conclusionはピシリと締めくくる
「それで?」と聞かれて,自分の論文の臨床的意義を説明できるか
将来どのような研究が必要かを正確に記述する
Refernce
引用は重要な文献のみに絞る(一流雑誌の新しい原著論文,総説)
文法
番号が付いた語句を並べるとくは,カンマでなく,セミコロン
HoweverやThereforeは文の中央に移す
ピリオドとコロンの後は半角2スペース,セミコロンの後は半角1スペース
Methodでは受動態,他は能動態
修正の目標は,編集者に「この論文であればたいした編集の苦労なく出版出来そうだ」と思わせること
Itで始まる文章は書き直す
文学的バリエーションは不要,同じ言葉を終始一貫して使う
よい医学論文を書くために大切なことは,書くことでなく,書き直すことだ
他の文献の情報を記述するときは,現在形,過去形,現在完了形のいずれを用いてもよい
方法,研究結果は過去形,結論は現在形






説明のバランスがよい。





研究者の?

世俗的過ぎ!




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