2008年8月12日火曜日

おひとりさまの老後(上野千鶴子)

社会・歴史・世界情勢


おひとりさまの老後

上野千鶴子さんは、名前は聞いたことがありましたが、1冊も著作を読んだことがありませんでした。
スーパーの本屋で見かけて、題名のインパクトから購入した次第です。

自分はどういう人生を送りたいのか、考えさせられる内容でした。

女性の「家族する」時間の短縮
よって、「ひとりで暮らす」ためのノウハウを準備しておいてもよいのではないか

「おひとりさまの老後」に必要なもの
・スキル(ソフト): ひとりで生きる智恵
・インフラ(ハード): お金、家、介護

80歳以上の女性の83%がおひとりさま
シングルアゲイン: 離婚・死別で再びシングルになること
年をとった親との同居は愛の踏み絵

おひとりさまの住宅事情

ワンルームが住みやすい
個室が基本
一度個室を経験すると雑魚寝文化には戻れない
アメリカではドアマンの数でコンドミニアムの値打ちが決まる

定年後も充実している「モデル退職者」

40歳代から早めに助走し、定年後にソフトランディング
仕事と半身で付き合い、職場ではたいして出世していない

友人ネットワークが大切

友人にはメンテナンスが必要
放っておいてももつ関係は「無関係」
職場に友人は求めず、利害関係のない異業種に求めるべき
時間もエネルギーも限られているので、キモチのよい相手とキモチのよい時間を過ごしたい
ベッドメイトよりテーブルメイト
人数が15人を超える集団はふたつに分解する
 →6人までで食卓を囲む
女同士のテーブルに男は呼ばない
男と食事をするときは、ふたりきりで差向い

孤独

「さみしさ(loneliness)」と「ひとりであること(solitude)」は違う
おとりさまを選ぶといことは、ソリテュードの楽しみを選ぶこと
あなたの居場所=ひとりっきりでいても淋しくない場所

介護

介護は、体にも心にも人間関係にも一番敏感なところに触れる
「さあ、みなさんご一緒に」を強制されないデイケア
人間のような大型動物はゆっくり死ぬ
高齢者の寝たきり→死の平均期間8.5か月
丁寧語は、相手との距離を置く方法=儀礼的距離化
介護はどこまでやれば十分という制限がない=無限定性



死は所詮ひとりで成し遂げるもの
皆に看取られる死が最上だとは限らない
死後離婚=「先祖代々の墓」には入りたくない

0 件のコメント: