2009年1月12日月曜日

旅とは人生であり、癒されない病である「旅する力―深夜特急ノート」(沢木耕太郎)

社会・歴史・世界情勢


旅する力―深夜特急ノート

沢木耕太郎は、僕が好きなノンフィクション作家である。
一番最初に読んだのは、やはり「深夜特急」だった。
その後の作品も大体読んでいて、檀一雄を書いた「壇」、登山家の山野井泰史夫婦を書いた「凍」が好きである。

僕は、「深夜特急」を読んだ医学生の当時、すでにバックパッカーとして一人旅にはまっていた。
その頃は、まだ東南アジア・インドを中心に旅行していたのだが、「深夜特急」を読んで「西」への憧れを強く抱くことになった。
そして、その後、夏休みごとに細切れに、トルコからエジプトまで、インドから東欧まで、イタリアからモロッコ・ポルトガルまでなどと陸路・海路での一人旅を続けることになる。
ポルトガルのザグレス岬へも足を伸ばしたのも、大いに「深夜特急」の影響があったのだろう。

この本は、旅とは何か、「深夜特急」の旅に出た背景、帰国後「深夜特急」が書かれるまで、「深夜特急」が書かれた後のことについて書かれている。
しかし、旅と同時に沢木耕太郎のライターとしていろいろな人に会い成長する過程も描かれている。

著者は、旅とは「家を出でて、遠きに行き、途中にあること」と定義する。
途中にあるから、旅は人生に似るということになる。

また、旅には適齢期のようなものがあるのかもしれない、と言う。
20代には20代の旅が、40代には40代の旅が、60代には60代の旅がある。
そして、50代には20代の旅はできないのだ。
恐ろしいことだが、その通りだと思う。

旅に教科書はない。教科書をつくるのはあなたなのだ。
まさに、旅は人生に似ているのである。

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